★原水禁2016年世界大会 in 広島★
8/4〜6、現地からのレポートはこちら

2016年12月28日

12/23国連総会本会議で核兵器禁止条約の制定交渉決議が採択(しかし日本は反対)

12月23日の国連総会本会議で、核兵器禁止条約の制定交渉を来年3月に開始する決議を賛成多数で採択しました。
 
 採決の内訳は、賛成113カ国、反対35カ国、棄権13カ国です。反対したのは、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、イスラエルなどの核兵器保有国のほか、アメリカの「核の傘」に依存する国々で、そのなかに日本も含まれています。
 今回の決議は、10月の国連総会第一委員会(軍縮)での採択に続くものですが、この時も日本は反対に回っていました。
 これは、核兵器廃止の道のりにおいて、唯一の戦争被爆国としての日本に寄せられた期待を大きく裏切るものといわなければなりません。

 日本が今回の決議に反対した理由として、大きく@決議に賛成するのはアメリカの核の傘に日本の安全保障戦略に矛盾することになる、A核兵器を法的に禁止する条約の交渉を行うのは、核兵器所有国と非所有国の対立を深める、の2つを挙げており、段階的に核軍縮を進めるべき、との立場を示しています。
 しかし、@そもそも大国の核兵器によって守られるという「核の傘」の論理こそが問題であり、それを認めるならば、他の国が核兵器を所有する権利を求めることも止められなくなります。つまり、核の傘のなかにいること自体が、核軍縮と矛盾しています。
A核兵器廃止条約の交渉によって核兵器所有国と非所有国の対立が深まるというのは順序が逆です。一部の大国が大量の核兵器を所有しているという構造こそが暴力的であり、国際的な対立を生んでいるのではなかったでしょうか。
 
 3月からの制定交渉に核保有国が参加する可能性は低いとされていますが、岸田文雄外相は、「唯一の被爆国として堂々と、この議論に参加すべきだ」として、3月からの制定交渉には加わる意向を示しています。
 日本は、核兵器廃止条約制定交渉において、今度こそ積極的な役割を果たす必要があります。
posted by 東京反核医師の会 事務局 at 17:38| Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月27日

【2017/2/18】総会記念講演「表現の自由とテレビメディア みんなが知らない福島の問題」のご案内

こんにちは、第29回反核医師の会 総会・記念講演のお知らせです。

最近、テレビニュースがおかしいという声がよく聞こえます。メディアと権力はどのような関係にあり、憲法にうたわれた表現の自由は保障されているのでしょうか。
私自身にとって痛恨の出来事である「ETV2001番組改変事件」を通じて考えてみたいと思います。あわせて、ひとびとは米軍による検閲下で「ヒロシマ」をどう伝えようとしたのか、チェルノブイリ原発事故や福島原発事故で、何が伝えられていないかについても考えていきます。

総会・記念講演には会員外の方も参加できますので、皆様、ふるってお申込ください。

■日時 2017年2月18日(土)
   15:00〜16:00  総会
   16:00〜18:00  記念講演
   ●永田 浩三 先生「表現の自由とテレビメディア みんなが知らない福島の問題」

■講師 永田 浩三 先生(武蔵大学社会学部 教授)

■会場 東京保険医協会 セミナールーム →地図こちら

     東京都新宿区西新宿3-2-7 KDX新宿ビル4F(JR新宿駅南口より徒歩12分)

■参加費 無料(要予約)

■申込み連絡先 東京反核医師の会事務局(東京保険医協会内 担当:山本麻子、江島、野中)
      TEL 03−5339−3601
      FAX 03−5339−3449

※なお、講演会終了後、18:30〜懇親会を行います(別途会費が必要です)。引き続きご参加いただける方は事務局までご連絡ください。
2017総会・記念講演チラシ.pdf
posted by 東京反核医師の会 事務局 at 17:44| Comment(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月26日

高速増殖炉「もんじゅ」廃炉が決まる

12月21日に、政府は高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉を正式に決定しました。

高速増殖炉とは、高速の中性子を使って、燃料となるプルトニウムを増殖させようというものです。
原子力発電にはつかえないとされているウラン238に、
プルトニウム239の核分裂によって発生した中性子を当てることによって、
最終的にプルトニウムに変化させるというのが、その仕組みです。
成功すれば使う分以上にエネルギーを生み出せる、夢の原子炉などと盛んに宣伝されてきましたが、
実際今では欧米の多くの国がこの事業から撤退しています。

大きな理由が、その危険性の高さです。
通常の原発では、中性子の速度を落とすために水が減速材として使われていますが、
高速増殖炉では、逆に速度を落としてはいけないため、減速材にも冷却材にも水を使うことができません。
かわりにナトリウムを使用しているのですが、ナトリウムは非常に扱いが難しい物質で、
金属を腐食させ、水に触れれば爆発の危険があり、空気にさらされれば炎上する危険があります。
また、核分裂の速度が通常の原発よりも速いことから、暴走の危険性も高いとされています。

もんじゅは80年代に建築が進められ、94年に初臨界しましたが、翌年の95年にナトリウムの漏出による火災事故を起こして停止。2010年5月に運転再開したものの、8月には炉内中継装置(燃料交換に使う装置)が原子炉内に落下、約一年後に引き抜かれるまでの間、発電も廃炉もできない危険な状態が続きました。
その他、計器の誤作動や、点検漏れなどが数え切れないほど報告されています。
もんじゅの維持費用には毎年200億円かかっているといわれています。この間、発電量は稼動初期の運転していた期間を除けばゼロです。

百害あって一利なしの「もんじゅ」の廃炉がなかなか決められなかった理由のひとつに、
高速増殖炉の失敗を認めてしまえば、使えないウランから使えるプルトニウムを生み出し続けるという「核燃料サイクル計画」の失敗を認めることになるということがあげられます。
そうなれば、原発を稼動させて核のゴミを生み続けることの建前が失われてしまうのです。
(逆を言えば、今回もんじゅの廃炉が決定された、ということは、
核のゴミを処理する方策をまったく持っていないということを国が認めたということになります)

さて、廃炉が決まったもんじゅですが、課題は山積しています。
そもそも、安全に解体する方法も、それにどれだけの費用がかかるのかも、はっきりした見通しがないのです。
また、政府はいまだに高速増殖炉の計画自体をあきらめるつもりはないらしく、フランスとの協同研究を進める方針がたてられていますが、フランスからは多額の開発費用を要求されているようです。

今、日本政府には「損切り」が求められているのではないでしょうか。
勇気を出して現実を見据え、このように危険で無駄だらけの事業からは一刻も早く手を引くべきです。


posted by 東京反核医師の会 事務局 at 18:27| Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月21日

シリア内戦と日露首脳対談

シリアのアレッポのニュースがテレビで盛んに報じられています。
2011年から始まったシリア政府軍と反体制派との戦いは、たびたび国外からの介入を受け、現在ではISの台頭もあり、既に内戦の域を超えたものとなっています。

シリア最大の都市であるアレッポ。アサド政権は、12月13日までにアレッポのほぼ全域を制圧しています。
こうした状況を受けて、反政府勢力の主要なグループは、取り残された市民を避難させ、みずからも市外に撤退するということで、政権を支援するロシア政府と合意しました。
ところが市民の避難は予定の時間を過ぎても始まらず、14日には空爆や砲撃による戦闘が再開。市民の間に多数の死傷者が出ています。

いまだに戦闘地域に取り残されている市民の数は推計で5万人とも言われています。市民と反体制勢力との区別など行われるはずもなく、街は無差別な砲撃や空爆にさらされています。
市内に取り残された人々がSNSへの投稿で、市内の惨状を訴えています。人々はまさしく明日をも知れない状況に置かれているのです。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/14/aleppo_n_13616910.html

アサド政権を支持するロシアはシリアへ大規模な軍事介入を行っており、このアレッポへの無差別攻撃にも、大きく関与しています。
国連安全保障理事会でシリア政府と並んでロシアが名指しで批判されたのには、こうした背景があります。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN14H0I_U6A211C1000000/

市民の虐殺に関わってきたロシアに対して、日本政府はこれまで公式に批判してきませんでした。
12月8日、G7のうち6カ国(アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ)がシリアに即時停戦を求める共同声明を出しましたが、日本は唯一参加していません。

この数日、シリアのアレッポでの危機的状況と同時に、日本では安倍首相とロシアのプーチン大統領との対談が盛んに報道されましたが、
北方領土問題や経済協力の話題がほとんどで、シリアの虐殺の問題と関連付けて報じたメディアは数えるほどしかありませんでした。
国内外を問わず、個々の課題に是々非々の態度で対応できない日本政府の歪みが、今回の対談の結果にも現われているのではないでしょうか。
posted by 東京反核医師の会 事務局 at 16:43| Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月19日

有原誠治監督が下町人間庶民文化賞を受賞しました

だんだん人々の感性まで「骨太」になりそうな今の世の中。国の動きに何があってもおかしくないかもと思う日々です。

さて、会員の申偉秀先生からうれしいご紹介です。
もうひと月ほど前の話ですが、東京反核医師の会もたびたびお世話になっている「うしろの正面だあれ」「火の雨がふる」などのアニメ映画が知られる有原誠治監督に関する報告です。
11月29日に、庶民の暮らしと文化、平和を守ることに貢献した人をたたえる「下町人間庶民文化賞」の2016年の受賞者に、女優の市原悦子さんらとともに選ばれたとのことです。
「被爆者の声をうけつぐ映画祭」を立ち上げて、10年続けて来たことが評価されたそうです。当日の授賞式は市原悦子さんご本人の都合がつかず市原さんにはお目にかかれなかったとか。
有原監督、おめでとうございます。もうアニメ映画はつくらないのでしょうか。お金も時間もかかるから難しいかもしれませんが、ぜひまた観てみたいです。
 また東京反核医師の会とコラボレーションしていけたらと思います。今後ともよろしくお願いします。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201611/CK2016112502000120.html

posted by 東京反核医師の会 事務局 at 16:16| Comment(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月15日

オスプレイ墜落、国内配備後初の重大事故

 12月13日夜、沖縄県名護市の沿岸で米軍普天間飛行場のMV22オスプレイ1機が墜落、大破しました。
乗組員5人全員が救出され、海軍病院に搬送されましたが、そのうち2人が負傷しているそうです。
 オスプレイは12年10月に、住民の反対を押し切って普天間飛行場に配備されたものです。開発段階から墜落事故が相次ぐなど安全性の問題が指摘されていました。

 米軍の説明によれば、墜落の原因は空中での給油中のトラブルによるものとのことですがたその後、この機体と一緒に空中で給油を受けていた別のオスプレイも、普天間飛行場で胴体着陸する事故を起こしていたことがあらたにわかりました。1日に2件の事故が起こったことになります。

 安慶田光男副知事の抗議に対して、在沖海兵隊トップのニコルソン四軍調整官は「操縦士は住宅、住民に被害を与えなかった。県民に感謝されるべきだ。」と延べ、抗議されること自体に不満を示したそうです。
 しかし、たとえば自宅の隣の空き家に車が突っ込んできたとして「お前の家にぶつからないようにうまく操縦したのだから文句言うな、感謝しろ」とドライバーに言われて、納得できるでしょうか。
 副知事の言うとおり、あまりにも植民地意識に満ちた態度ではないでしょうか。

 もう1つ、問題にしなければいけないのは、この事件の各種マスコミの取り上げ方です。ニュースに触れた多くの人が違和感を覚えたのではないかと思います。
 今回はかなり早い時期から事故現場の画像が出回っており、機体が折れ、翼が吹き飛んでいるのがわかっていました。あきらかに墜落という言葉以外当てはまらないものでした。
 しかし国内メディアの多くは「不時着」「着水」「不時着水」などの言葉を用いていました。これは米海兵隊や防衛省の発表によるものですが、実は米軍準機関紙である「星条旗」(Stars and Stripes)は、今回の事故について「衝突」(crash)という単語を用いているのです。
http://www.stripes.com/news/osprey-crashes-off-okinawa-crew-safe-1.444190#.WFCQQdtwoKA.twitter
 米国内の複数のメディアは、墜落あるいはそれに相当する言葉を用いて今回の事故を報じています。
 
 新聞社ごとに、方針や政策についての考え方が違うのは当然のことです。しかし、見れば明らかに分かる物事をありのままに表現することもできず(だからもちろんこれは「墜落」や「着水」という言葉の定義の問題ではありません)、公式の発表をそのまま流すだけのことが報道と呼べるのでしょうか。
 
 今回のオスプレイ墜落事故は、現在の国内報道の正体があらわになった事件であり、私達の意識が植民地化されている現実を示していると言えるかもしれません。
posted by 東京反核医師の会 事務局 at 18:52| Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月12日

辺野古違法確認訴訟、沖縄県の敗訴確定

 名護市辺野古の新基地建設をめぐり、石井啓一国土交通相が翁長雄志知事を訴えた「辺野古違法確認訴訟」で、最高裁は12日までに、上告審判決を今月20日午後3時に言い渡すと決定しました。
 知事が敗訴した福岡高裁那覇支部での判決の見直しに必要な弁論を開かないでの判決となるため、県側敗訴が確定する見通しです。

国の機関である沖縄防衛局が、私人の権利救済が目的である「行政不服審査制度」を用いるなど、
この問題での沖縄県への国の対応は横暴をきわめたもので、まさしく地方自治を損なうものといえます。
当時現役の沖縄北方相だった島尻氏が選挙区で落選した7月の参院選の結果を見ても、沖縄県民の総意がどこにあるかははっきりしているのではないでしょうか。

 翁長雄志沖縄県知事は以前から「確定判決には従う」と述べており、最高裁判決の後は、埋め立て承認取り消しを撤回する手続きに入ることになります。
 ただし、翁長知事は敗訴した場合でも「あらゆる手法」で辺野古新基地建設を阻止する姿勢は変わらないと述べています。国が工事を進めるために必要な設計概要や岩礁破砕の許可申請に対し、県は不許可とすることを検討しており、埋め立て承認の「撤回」も視野に入れています。
 新基地建設を巡る闘いは新たなステージに入ることになります。


※ところで、この記事を書いている最中に、
「埋め立て承認の「撤回」って何だろう?承認取り消しがダメになったけど、"撤回"はできるということ?」
という素朴な疑問(不勉強ともいう)が起こったので、確認しました。
取消と撤回は、以下のような違いがあるそうです。

【職権取消】
@行政庁が行った行政行為に当初から瑕疵(=違法または不当という「過ち」)があった場合に、行政庁の側から自発的に、その瑕疵を理由として取消すこと。
A職権取消の効果は遡及的におよぶ。
【撤回】
@行政行為に対して、行為の後に発生した事情により、その効力を存続させることができなくなった時に、その効力をなくすこと。
A撤回の効果は、撤回の時点から将来に向かって発生する。

つまり最初からなかったことにするのが「職権取消」で、後から効力をなくすのが「撤回」ということになります。
posted by 東京反核医師の会 事務局 at 18:52| Comment(2) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月10日

反核ニュース98号を発送しました。

 きのう、「東京反核医師の会ニュース」第98号を 東京反核医師の会の全会員に発送しました。
 写真は発送作業のもようです。こんなふうに手作業で封詰めしてます。
ニュース発送.jpg
今回の「ピース・ドクター」のコーナーでは、東京保険医協会前会長の拝殿清名先生にお話をうかがいました。
それから、8/4〜6の「原水爆禁止2016世界大会in広島」の報告記事。
われわれ東京反核医師の会が主催した「被曝電車にのって」の模様もお伝えしています。
8/11の「平和のための戦争展」、11/5〜6の「反核医師のつどいin宮城」や、参加された先生のご感想も掲載しています。
ページ数は少ないですが、読み応えのある内容になっています。よろしくお願いします。

posted by 東京反核医師の会 事務局 at 18:08| Comment(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月09日

川内原発1号機が運転再開

九州電力は12月8日夜、定期検査で停止していた川内原発1号機原子炉を起動しました。
新規制基準に合格し再稼働した原発が定期検査で停止後に運転を再開したのは初めてです。11日に発電を始め、17年1月6日には検査を終えて営業運転に移行する予定とのことです。

新規制基準にはさまざまな問題があることが知られています。
鹿児島県はご存知のとおり火山帯で知られています。中央構造線の断層帯が通っています。4月には同じ九州の熊本県で震災による被害があったばかりです。しかし、新規制基準はそういったその地域特有のローカルな問題に十分に対応していません。
また、住民の避難計画が審査要件になっておらず、避難計画に実効性があるのかも疑問です。
なにより、福島第一原発事故がどういった原因で起こったのかも、現時点ではわかっていません。「福島での反省を活かす」などということは、論理的に不可能です。

7月の県知事選では脱原発を訴えて当選した三反園訓知事。2回にわたり、川内原発の即時停止を要請しましたが九電は応じず、9月下旬から原発の特別点検を実施しています。その後、知事は「私に稼働させるか、させないかの権限はない」と、運転再開を事実上容認する姿勢を示しています。
厳しい言い方をすれば、権限がないことは、はじめからわかっていたことです。三反園訓知事には、公約を実行するための努力を続けてもらわなければなりません。私達も声を上げて、知事の背中を押していく必要があるのではないでしょうか。

posted by 東京反核医師の会 事務局 at 19:52| Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月07日

映画「この世界の片隅に」について

ただ今、反核医師の会の会員の皆様にお届けするニュースを編集しております。
近日中に発送する予定です。乞うご期待。

さて、個人的な話ですが、戦時中の広島の呉を舞台にしたアニメ映画「この世界の片隅に」を観てきました。
http://konosekai.jp/
原作は「夕凪の町 桜の国」で有名なこうの史代さんです
「夕凪〜」の方も以前、実写映画化されていましたね。



先に述べると、これはまぎれもない名作だと思います。
しかし、どこがどう素晴らしい作品なのかを言い表しにくい作品でもあります。
なぜ自分が泣いているのか、自分でもわからないといったような。

そもそもどういうジャンルの映画なのかも、一言では言い表せません。
たしかに「戦争映画」なのでしょうが、同時に「恋愛映画」でもあり、ファンタジー的な部分もあり、
そして究極の「日常もの」でもある。それらがスクリーンの中に同居しています。

作品の大半では、19歳で呉に嫁ぐことになった主人公すずを中心にした日々の営みを描いています。
戦時下であろうと、その中で小さな幸せを見つけようとする日常の営為は続きます。
「戦争もの」の映画でこんなことやるの?と思うような、ほほえましいシーンもあります。

だからといって、この作品が戦争の悲惨さをオミットしているのかといったら、そんなことはありません。
先ほど挙げた中から抜けていましたが、
この作品は「ホラー」でもあるかもしれません。
戦争によって日常が破壊されるのではなく、戦争が日常の中に取り込まれていく恐怖。
日常のなかに突如として剥き出しの暴力が挿入される恐怖。
淡々と20年8月の「あの日」へのカウントダウンが進んでいく恐怖。
そして、あらゆる喪失、悲劇、不幸を飲み込みながら、それでも日常は続いてしまう恐怖
(よく似た感情を、2011年の原発事故の直後にわたしは覚えたような気がします)。

長くなりましたが、観ようか迷っている方は、多少遠出してでも映画館で観ることをおすすめします。
もし余裕があれば、原作の漫画(※)も手にとってみていただけたらと思います。
(※12.22追記:上映している映画館の情報は公式ページのこちらを参照してください。
http://www.eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=548
年明けに上映開始するところがたくさんあるようですね。私の住んでいる駅前でも・・・。)


※終戦直後の重要なシーンのすずの台詞が、原作から変更されています。
これについて賛否両論あるようですが、私はどちらも伝えたいことの本質は同じだと思います。
変わらない自分でい続けようとした、すずの毎日が何によって支えられていたのか。
この国の正体は何だったのか。
posted by 東京反核医師の会 事務局 at 18:49| Comment(1) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月02日

11/28東京反核医師の会の世話人会を開催しました

11月28日、東京反核医師の会の世話人会を開催、7人が参加しました。

PB282362.JPG

主な議題は17年2月18日(土)の総会の準備についてです。
総会の記念講演は、武蔵野大学社会学部教授で元NHKプロデューサーの永田浩三先生をお呼びして
「表現の自由とテレビメディア みんなが知らない福島の問題」というテーマでお話いただきます。
15時から総会開始、16時から記念講演の予定です。
最近のテレビや新聞のマスコミ報道に違和感をお持ちの方も、そうでもない方も、ぜひお越しください。

【ご報告】
このたび、反核医師の会の事務局担当の変更が行われることになりました。
人数でいえば、増えることになります。
本ブログの更新のメイン担当なるものも割り当てられることになり、今後はより頻繁に記事を掲載していきたいと考えております。
どうぞよろしくお願いします。

posted by 東京反核医師の会 事務局 at 16:29| Comment(2) | 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする