★原水禁2017年世界大会 in 長崎★
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2017年05月24日

5/8向山新代表委員の「マーシャル・エニウェトク環礁被害調査」の報告をきいて

5月8日、立川相互病院で東京反核医師の会の向山新代表委員から、「マーシャル・エニウェトク環礁被害調査」の報告会が行われました。
マーシャル諸島では1948年〜49年にかけて、核実験が何度も行われました。
エニウェトク環礁は、あの有名なビキニ環礁よりも多い、44回の核実験が行われています(ビキニ環礁は24回)
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住民は核実験のために、強制的に近隣の環礁に移住をさせられ、そののち、不十分な除染ののちに、1980年に南部の3つの島に再定住して、現在に至ります。
核実験の被害状況の調査のために、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)は17年1月10日〜22日にかけて、8人の代表団を派遣し、その1人として、向山先生が参加しました。

現地では、土壌の採取や空間線量の測定、そして住民の健康診断などが行われました。
空間線量は全体的にはそれほど高くなかったものの、コンクリート建造物などの一部に高い場所がありました。
そのなかに地元の住民が通う教会も含まれていたため、結果を聞いてショックを受けている方もいたそうです。

健康診断は男性と女性それぞれ30人ずつを対象に行われましたが、甲状腺の腫大がやや高めの頻度で認められました。
これについて、放射線の影響があるかどうかについては、現時点でははっきりしないものの、
そのうちの複数名は59歳以下で、直接核実験の影響を受けておらず、また現地の現在の空間線量自体はさほど高くないことから、
内部被ばくの影響も可能性としては考えられるようです。
聞き取り調査では、除染作業に従事したという方や、ヤシガニをとって食べている、などの話が聞かれました。
汚染の除去が不十分なことから、北部の島々で取れた食物は食べないように指示が出ているのですが、エニウェトク島は除染の影響で土地がやせており、
十分な食料援助もないために、周囲のものを取って食べざるを得ない実態があるようです。
そのほか、血圧や血糖値が高めに出ており、これは遺伝的な体質のほかに、食生活の変化などの影響も考えられるとのことです。

アメリカからの補償を受けているのは、
現在、ビキニ、ロンゲラップ、ウトリック、エニウェトクの4つの環礁のみで、それも不十分なものです。
旧式のホールボディカウンターはあるものの、食料品の線量をはかる機械もなく、十分な調査ができる態勢にはなっていません。

ルニット島には、放射性降下物のがれきなどの汚染物を格納したルニットドームというドームがあります。現在、地球温暖化によって、海面が上昇しており、
このまま進むとルニットドームが水没し、汚染物質が流出する危険もあるそうです。

定期的な健康調査と医療支援、アメリカの十分な補償が求められる。地元住民の運動の支援の必要性を強く感じた、とのお話でした。

お話を聞いて感じたのは、マーシャル諸島の人々の受けた傷は、身体的な健康被害だけでは(それも非常に重大な問題ですが)言い表すことができないのだということです。
豊かな土地の恵みによって、自給自足で暮らしているような社会において、その住む場所を奪われたり、土地を汚染されるということは、生活の基盤自体が破壊されることを意味します。
そして、それは仮にどんな補償をしても、決して取返しがつかないのです。アメリカが極めて不十分な補償・援助しか行っていないのは、国内の目がこの問題に向かないように、
風化させようとしているのではないかと思いました。

報告会の後、立川相互病院の被爆者集団健診のオリエンテーションが行われました。
単なる健康診断ではなく、当時の被爆体験についての聞き取りや、交流会など、
患者とスタッフのコミュニケーション、つながりを大切にした取り組みを続けていることを知ることができ、大変勉強になった夜でした。
posted by 東京反核医師の会 事務局 at 18:18| Comment(0) | 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月18日

5月3日憲法集会

4月下旬から諸事情でブログが更新できない状況が続いていましたが、再開します。

だいぶ遅い話題ではありますが、5月3日(水)に、有明防災公園で「施行70年 いいね!日本国憲法―平和といのちと人権を!5.3憲法集会」がありました。私たちも参加しました。
 主催者発表で5万5千人が参加ということで、近年にない盛り上がりだったと思います。
 集会では各野党の代表者が連帯の挨拶を行ったほか、落合恵子さんや、伊藤真さんら、各界のみなさんののリレートークもあり、それぞれの想いが強く感じられました。
 個人的に特に印象が強かったのは、沖縄平和運動センターの山城博治さん、特別ゲストとして参加した李泰鎬(イ・テホ)さんの発言で、それぞれ、「辺野古では護岸工事が始まったが、沖縄の心は折れることはない。憲法を変えて戦争への道を進もうとする政権を止めよう」「国は違っても『私たちが主人だ。人が優先だ』の訴えは一緒だ。日本の皆さんを応援します」との力強い言葉が寄せられました。最前線で闘いを続けている人の言葉は、人を引き付けるものあると思わされました
 集会後は、2コースに分かれてパレードが行われました。私たちは豊洲へ向かう3キロのコースを歩きました。
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 この5月3日に合わせて、安倍首相は「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と明言し、野党だけでなく、与党内部からも懸念の声が寄せられています。
 2020年と指定したことに対して、首相は東京オリンピック・パラリンピックも予定されている年だと述べていますが、オリンピックと憲法改正になんの関係があるのでしょうか。
 改憲項目として、高等教育無償化を掲げてもいますが、それならば、法律の改正で今からでもできることです。改憲には国民投票が必要で、それだけでも数百億もの費用がかかります。水道の修理のために家ごと建て替えるようなものです。
 そもそも、民主党政権時代に、高等教育無償化を「バラマキ」と呼んで反対してきたのは、ほかならぬ自民党ではなかったでしょうか。教育無償化を飴と鞭の「飴」にしようという戦略だとしても、あまりにもやり方が幼稚で、その言葉には何の一貫性もありません。
 こんな政権に日本国憲法の条文を触られるようなことはあってはならないと思います。
posted by 東京反核医師の会 事務局 at 18:36| Comment(0) | 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする