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2017年02月03日

共謀罪法案について

犯罪を計画・準備した段階で捜査・処罰対象とする「共謀罪」について、政府は「テロ等準備罪」として構成要件を変えることで法案成立を目指しています。
政府は31日の参院予算委員会で「犯罪の合意だけでなく"準備行為"がなければ逮捕・勾留できないように立法する」と述べていますが、
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017020102000121.html
法案の本質的な問題点はなにひとつ変わっていません。
なぜならば「何をもって"準備行為"とみなすのか」が明確に規定されておらず、その判断が捜査する側にゆだねられているからです。

さて、政府は共謀罪が必要な理由として、共謀罪がなければ「国際組織犯罪防止条約」(パレルモ条約)を批准することができず、東京オリンピックを前にテロ対策として同法が必要不可欠であるとしています。

しかしこれについては、複数の反論が挙げられています。

@パレルモ条約は、もともとマフィアなど経済的利益を目的とする組織犯罪を対象にしたもので、テロ対策とは直接関係がない。
Aパレルモ条約を批准した国の多くは、国内の法体系ですでに条件を満たしている、あるいは法の整理をした上で批准しており、新たに共謀罪を制定したのはノルウェーなどわずかである。
条約の一部について留保した上で批准することも可能である。
B共謀罪の対象となる犯罪行為は600以上(※)におよび、窃盗や器物損壊、詐欺などテロと直接関係のないものが多い。(※その後、300以下に減らす方針が出されているが、多いことには変わりはない)
Cすでに現時点で、殺人や強盗などの凶悪犯罪に対しては予備罪(実施に至る前の予備行為の段階)が成立する。
 実際に政府の答弁で挙げられた事例も現行の法体制で取り締まれることが指摘される場面があった。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/01/30/kaneda-budget-committee-of-the-upper-house-of-the-diet_n_14509326.html

「オリンピックのため」「テロ防止のため」というのは、人の目をあざむくための詭弁であるといえるでしょう。

「共謀」の定義として、複数の人間が犯罪行為を行うことを合意することとされていますが、これは書面による合意だけでなく、
会話や、目配せ、うなづきなどの合図でも成立するものとされています。
これでは、いくらでも恣意的に合意とみなすことが可能になってしまいます。

政府は、対象となるのは組織的な犯罪集団のみであり、一般人は対象でないと述べていますが、これも詭弁です。
上記のような、共謀の定義上、すでに特定の団体である必要すらありません。個々人のやりとりですら、共謀罪が適用されます。
そして、ひとたび取り締まられれば、それが「組織的な犯罪集団」とみなされるわけです。
つまり、「一般人なら大丈夫」なのではなく、「大丈夫でなかったものは犯罪集団だ」という、逆立ちした論理で運用されることになります。

このような運用のされ方をした法律が、戦前、戦時中に実際にありました。それが治安維持法(1925年制定、1945年廃止)です。
当初は共産主義活動を取り締まるためとして制定された同法は、その適用範囲が際限なく拡大していきました。
政権や警察にとって不都合な団体、個人を取り締まる口実として使われ、戦時中の全体主義体制の一因となったのです。

共謀罪の本質はまさしく治安維持法のそれと同じものです。過去のあやまちをくりかえさないために、この法案は廃案にしなければなりません。
posted by 東京反核医師の会 事務局 at 18:49| Comment(1) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なし崩し的に変わっていくこの流れに恐怖感すら漂いますが、このへんでもう戦うしかないように思ってきています。
Posted by katakuuura at 2017年02月03日 21:17
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