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2017年02月10日

南スーダンPKO 陸上自衛隊日報をめぐる問題について

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の日報で現地の「戦闘」が報告されていたことが明らかになりました。

 南スーダンへの自衛隊のPKO参加は2011年から続いていますが、2016年11月からは安保関連法案にもとづく「駆けつけ警護」が新しい任務として付与されています。
 
 今回の問題は、ジャーナリストの 布施 祐仁 氏が2016年9月に日報の開示請求を行ったところから始まりました。本来1カ月で開示決定するところ、防衛省は期限を1カ月延長したうえに、12月初めに廃棄済みのために日報は存在しない、との通知を出しました。
 ところが、年が明けて一転、防衛省が再調査し、統合幕僚部が日報のデータを保管していることを明らかにしました。
 開示された昨年7月7〜12日の日報には、ジュバ市内で政府側と前副大統領派の「戦闘」が発生したことが記載されており、流れ弾への注意や、国連の活動の停止や活動の制限の可能性にも言及されています。
 
 これまで、政府は、南スーダンで戦闘行為が行われていることを否定し続けてきました。
 これは、PKOへの自衛隊の派遣には、参加5原則として、以下の5つの条件が守られている必要があるためです。
@ 停戦合意が存在すること
A 受入国などの同意が存在すること
B 中立性が保たれていること
C 要件が満たされなくなった場合には派遣を中断又は終了すること
D 武器の使用は必要最小限度とすること
 戦闘が行われていることを認めると、派遣の前提が崩れることになるのです。

 しかし、開示された日報に「戦闘」の記載があるにもかかわらず、政府はいまだに戦闘行為はなく、武力衝突が行われていた、という主張を続けています。
 稲田朋美防衛相は8日の衆院予算委員会で「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と述べています。
 この発言に批判が集まっていますが、ある意味、政府の逆立ちした論理が素直に現れた表現ではないでしょうか。
 
 原子力業界にも顕著ですが、現在、政府やその周囲で使われる言葉の歪みが顕著です。
 戦争を平和と言い換え、危険を安全と言い換え、墜落を着水と言い換え、そして今、戦闘が武力衝突に置き換えられたのです。
 現実認識をゆがめることが破滅の第一歩であることは、戦時中の歴史からも明らかです。
 実際に起こっている出来事はそれで変わるわけではありません。ありのままの事実をつかみとるために言葉は用いられなければなりません。


【17.2.13追記】
今回の事件は、複数の問題がかかわりあっており、ゆえに論点が定まりにくい部分もあるかと思います。
以下、今回の件の問題点を5つにまとめてみました(もっと他にも挙げられるかも知れません)。参考になれば幸いです。

@7/7〜12までの日報を9/30に開示請求したのに対し、「廃棄しており、保有していなかったことから、文書不存在につき不開示」の返答が12/2付。廃棄されるのが早すぎるし、廃棄されているから開示できないという理由にしては返答が遅すぎるのではないか。

A河野太郎議員が再調査要求(12/22)→4日後、電子データが残っていることが判明(12/26)。逆に言えば、実際はデータが残っていたにも関わらず、「廃棄した」ことを理由に開示を拒否していたことになる。

BAが12/26に判明していたにも関わらず、稲田防衛相に報告が上がったのが翌年の1/27であり、遅すぎる。

C日報のなかに、これまで政府が否定してきた「戦闘」に関する記載がある。PKO参加5原則の「紛争当事者間の停戦合意」が崩れているのではないか。

Dそれでもなお稲田防衛相は「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」(下線引用者)として、戦闘が行われていることを否定。これはPKO参加ありきの逆立ちした論理である。
 
posted by 東京反核医師の会 事務局 at 17:59| Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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