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2017年09月01日

8/29北朝鮮のミサイル発射について

北朝鮮は日本時間の8月29日の午前5時58分、首都平壌の順安区域付近から中距離弾道ミサイル「火星(ファソン)12」を北東方向に発射しました。ミサイルは北海道上空を通過し、午前6時12分、北海道襟裳岬の東約1,180キロの太平洋上に落下しました。

北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)はこの発射実験について、「太平洋における軍事作戦の第1歩であり、グアム封じ込めに向けた有意義な序章」だとし、さら、「さらなる弾道ロケット発射演習を実施する」と予告しています。

東京反核医師の会は、北朝鮮のこの間のミサイル発射に対しては、国際関係の安定を乱すものであり、また核兵器開発と密接に結びついたものであると考え、一貫して批判を続けています。7月24日には抗議文「北朝鮮のミサイル実験に抗議する」を出しました。
http://tokyohankaku.seesaa.net/article/452088629.html
今回の発射も、国際法規や、国際平和の観点から見ても決して許されない暴挙であり、このようなミサイル実験・開発は直ちに中止しなければなりません。
 
 
 今回の件に関しては、日本政府の国内への対応についても触れる必要があります。
 そのひとつは、Jアラート(全国瞬時警報システム)の使用についてです。
発射4分後の6時2分に、Jアラートが北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県の12の道県に発射の警報を送信し、6時14分には弾道ミサイルの通過を送信しています。
 このJアラートを受けて、JR北海道は北海道新幹線と在来線を、JR東日本は東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線、山形新幹線、秋田新幹線や管轄する11県の全在来線の運転を一時見合わせ、私鉄各社も一部の列車で運転を見合わせるなど、交通に大きな影響が出ました。
 今回のJアラートの使用には以下のような問題があります。

@6時2分に警報が送信されたが、6時5〜6分ごろには北海道を通過していた。仮に本土にミサイルが落下したとしても、実際の避難の役にはほとんど立たなかったと考えられる。
A警報の範囲が広範に過ぎた。総務省消防庁によると、少なくとも7道県16市町村で情報伝達にトラブルがあった。もともと、Jアラートはミサイルへの警告で使用するのには無理があるのではないか、と一部で指摘されていたが、@、Aはそれを裏付けるものと言える。
B小野寺五典防衛相は8月29日午前の記者会見で、「発射された弾道ミサイルが、わが国の領土、領海に着弾するということが把握できた時に破壊措置命令でこれを除去するということになる」と述べている。
 日本はミサイル迎撃の措置を行わなかったので、逆に言えば、防衛省は弾道ミサイルが日本の領土、領海に着弾する可能性がないことを把握していたことになる。
 また、ミサイルの最高高度は550キロに達しており、それは日本の上空を通過した頃と見られている。領空の高度範囲は国際法で定義されておらず、通常は航空機が飛ぶことのできる上空100キロ程度とされている。
 つまり、ミサイルが日本の上空を通過したこと自体は、通常は領空侵犯とはみなされず、このことも迎撃措置を取らなかった理由の1つとみられている。
 とすれば、今回のように、実際の役にほとんど立たない警報を広範囲に出す必要があったのか。実際、今年5月14日のミサイル発射の際には、「わが国に向けて飛来する恐れがない」として破壊措置を実施せず、Jアラートも発動されていない。
 Jアラートの発動に関する判断が、恣意的に行われているのではないか。

 安倍首相は「我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威であり〜」と述べていますが、以前から北朝鮮は日本上空を超えるミサイルを何度も発射しており、この発言は事実とは異なります。
 重大なのは、今になって事態が急に深刻化しているわけではないということです。
 メディアの報道とも併せて、いたずらに危機感を煽る手法は、自らの支持率回復のために、北朝鮮ミサイル問題を利用しているのではないかと思われます。
 首相は「国際社会と連携し、北朝鮮に対する更なる圧力の強化を求めていく」とも述べていますが、この圧力は、軍事衝突を避けるための、対話の場へ引き出すための圧力でなければなりません。
posted by 東京反核医師の会 事務局 at 17:13| Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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