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8/4〜6、現地からのレポートはこちら

2011年05月12日

【英訳】4/5発表 緊急声明「福島第一原発事故の災害規模予測(ハザードマップ)の告知を求める緊急声明」

2011年4月5日に発表した緊急声明「福島第一原発事故の災害規模予測(ハザードマップ)の告知を求める緊急声明」の英訳ができました。
Urgent Statement Calling for Publication of Hazard Map of Fukushima Daiichi Nuclear Accidents

Tokyo Physicians, Dentists, and Medical Scientists for Elimination of Nuclear Weapons and Prevention of Nuclear Wars (Tokyo Physicians for Elimination of Nuclear Weapons)


 Urgent Statement Calling for Publication of Hazard Map of Fukushima Daiichi Nuclear Accidents Tokyo Physicians, Dentists, and Medical Scientists for Elimination of Nuclear Weapons and Prevention of Nuclear Wars (Tokyo Physicians for Elimination of Nuclear Weapons)

 We are a group of Japanese physicians working toward the elimination of nuclear weapons in cooperation with International Physicians for Prevention of Nuclear War (IPPNW) . We have been consistently engaged in providing medical support for victims of atomic bombing of Hiroshima and Nagasaki. Having witnessed the suffering caused by exposure to radioactivity, we are totally opposed to any repeat of such tragedy in Japan.

 All Japanese citizens are concerned about the situation in Fukushima and hope for the imminent containment of the accident at the Fukushima Daiichi nuclear plant. The government and the related agencies, however, repeat the same announcement that“the situation remains unpredictable” and that they “will make utmost efforts toward containment.” They have presented little detailed information on hazard assessment. What little they have communicated has been limited to recommendations on a day-today basis. No clarification has been given as to what this “unpredictable situation”means. If their “utmost efforts” fail, the outcome will be catastrophic. The nation, utterly unprepared, may once again be struck by disasters.

 In the reactors of the affected Fukushima Daiichi nuclear plant, fissionable material equivalent to at least one hundred Hiroshima-type atomic bombs is stored. In addition, the third reactor holds MOX plutonium fuel, which contains plutonium at about one-tenth of uranium. When regular uranium fuel is used, released plutonium is about 0.02% in density. The level of released plutonium from the usage of MOX fuel, however, far exceeds this. A massive release of this plutonium would mean a catastrophe the likes of which human beings have yet to experience.

 It is reported that re-criticality has been prevented so far. Conditions, however, remain precarious: Rods are reported to be melting inside the reactors, containment vessels have been damaged, and repairing the plant’s electric cooling system has turned out to be extremely difficult. On March 30th, the Nuclear Safety Commission announced its view that “The reactor vessels and containment structure in the first, second and third reactors have been damaged.”

 The worst case scenario under these circumstances would be as follows: One or more of the reactor vessels and/or containment structure gets damaged and the water level inside the reactor vessel drops. Fuel rods, exposed to the air, overheat. Resulting further spoilage of the fuel rods could ultimately trigger hydrogen or steam explosions. If this occurs, what would be the worst possible level of radiation release? What is the risk of contamination to the Greater Tokyo metropolitan area?

 When such risks objectively exist, the government is obliged to offer to its citizens accurate and detailed information. The concept of the hazard mapping involves an approach to disclose the extent of potential danger to local residents in advance, thereby minimizing the damages. The government, however, has abandoned this obligation.

 If the government assesses absolutely no risk of an explosion to reactor containment vessels, the basis for that assessment should be explained accurately and in detail, and the government should stand over its judgment. That would at least free citizens of the concern over the worst case scenario, and allow them to believe in the success of the government’s “utmost efforts” toward containment.

 If it is not possible, the government should promptly inform the citizens about the worst possible scenario, and provide instructions on preparation and countermeasures.

 In doing so, the following will be absolutely necessary. A fundamental principle should be set in place so that expecting mothers, infants, children and their mothers, and youths (both male and female) should be prioritized in escaping to safety. This is crucially important in preventing any possible confusion in a critical situation and in protecting the safety of generations to come. Even if we should come to face the worst accidents and disasters, we should protect at all cost the next generation of Japanese citizens from radiation exposure. All Japanese nationals should adopt this mental approach.

In addition to the government, each municipal community, the police, the Self Defense Forces, mass media, and all citizens are requested to stand with us and start taking prompt contingency measures.

April 5th, 2011
Elimination of Nuclear Weapons and Prevention of Nuclear Wars: Tokyo Physicians, Dentists, and Medical Scientists Association (Tokyo Physicians for Elimination of Nuclear Weapons)
Committee representatives:
Arata Mukouyama
Yoshiaki Watanabe
 Kazuhiko Katakura
(Translated into English by Yo/TUP and David McNeil)

【PDFダウンロードできます。こちらをクリックしてください】
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5/12 東京反核医師の会談話

 東京反核医師の会は、5月12日付で以下のとおり談話を発表しましたのでお知らせいたします。
友人のみなさま:

 先日、IPPNWが日本の文部科学大臣に書簡を送りました。報道された放射能汚染地域の子供たちの放射線被曝「許容量」引き上げに、強く反対するものでした。この書簡は、容認できないほどのレベルの放射線被曝をうける日本の子供たちの健康をIPPNWが深く懸念したものであることは明らかです。核戦争防止国際医師会議日本支部議長の署名があれば、一層説得力があったでしょう。

 核燃料由来放射能は原子炉から決して漏出させてはならない」という私たちの信念を、この書簡は支持しています。その種の放射能が原発施設外に存在してはならないことに、議論の余地はないはずです。

 そもそも、核燃料由来の放射線が一般住民の居住地域に存在すること自体を拒絶すべきであり、そのことに、医学的根拠による説明は必要ないはずです。福島県の現状はあり得ない事態なのです。居住地域における核燃料由来放射能ゼロレベルというのは、ほとんど基本的人権に属するものです。

 しかし、現実の事態はもっと深刻です。人類がこれまで経験したことのないプルトニウム汚染のリスクをはらむ爆発の脅威は、まだ去っていません。おそらく、福島原発事故は、核戦争の場合と同じ視点で見るべきなのでしょう。

 原子炉の爆発を防止するための窒素ガスの注入が報道される直前の4月5日に、私たちが発表した声明を添付します。私たちは、子供たちを守るために、社会が可能なあらゆる手立てを準備するよう呼びかけました。ヒバクシャ救援のために活動している多くの日本の医師たちが、一人の子供にも原発由来の被曝が起きないよう奮闘していることがお分かりになると思います。

2011年5月12日
核兵器廃絶・核戦争阻止 東京医師・歯科医師・医学者の会 
(東京反核医師の会)
代表委員  向山  新
渡辺 吉明
片倉 和彦
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2011年04月05日

4/5発表 緊急声明「福島第一原発事故の災害規模予測(ハザードマップ)の告知を求める緊急声明」

 当会では2011年3月16日付で「福島第一原発の放射性物質放出について マスコミの正確な危険性報道を求め、政府の迅速な情報収集・発表を要求する緊急声明」を発表しましたが、その後、原発をめぐる情報は相変わらず錯綜し、残念ながら、政府の発表、東京電力の発表いずれも曖昧として、国民の不安は募るばかりとなっています。しかも、マスコミでは「専門家」と称する研究者が多数入れ替わりに登場し、最近は放射線被害の安全性をうたうばかりの報道になっています。
 しかし、こうした楽観的情報ばかりを表に出し、現実に起こっていること、今後起こりうる可能性のある事柄と放射線の人体に対する影響について、きちんと科学的に国民に説明しないことは、国民に対してたいへん不誠実な対応です。
 今回、当会では緊急声明の第二弾として別紙の通りメッセージを発信いたします。なお、この声明は、内閣総理大臣、東京電力、経済産業大臣、東京都知事のほか、関係機関ならびにマスコミ関係者の皆様にお送りさせていただきました。
 ***
 2011年5月12日、英訳版ができました。詳しくは【こちらの記事】をご覧ください。
【 東京反核医師の会 緊急声明 】
福島第一原発事故の災害規模予測(ハザードマップ)
告知を求める緊急声明


 私たちは、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の活動に参加し、核兵器廃絶を目指す医師団です。これまで一貫して、広島、長崎原爆被爆者の医学的支援に携わってきました。私たちは、放射性物質被曝の苦しい体験に接してきたが故に、この日本で、またもや被曝災害が起きることを絶対に許せません。
 現在、すべての国民が、事態の深刻さを懸念し、一刻も早い福島第一原発事故の収束を願っています。ところが、政府および関係機関は、「依然として予断を許さない事態」と繰り返し、「収束に全力を尽くす」と発表する以外、災害予測の詳細な情報を国民に示していません。伝えられているのは、日々の対策だけです。「予断を許さない事態」とは何なのか、まったく教えられていません。この状況で、「収束への最善の努力」が、失敗すれば、結果は悲惨であります。再び「寝耳に水」状態で災害に見舞われます。
 危機にある福島第一原発の原子炉には、少なくとも、ヒロシマ型原子爆弾数百発分の核分裂物質があります。そのうえ、3号炉には、ウランのおよそ10分の1のプルトニウムを含むMOX燃料があります。通常のウラン燃料使用中に発生するプルトニウム濃度0.02パーセントですが、それとは比較にならない量です。万が一、このプルトニウムの大量放出が起きるとすれば、それは人類が経験したことのない大災害となります。
 再臨界は防止されているとのことですが、深刻な事態が知らされています。原子炉内部で溶融が起きていること、格納容器に損傷が起きていること、電気的冷却機構の回復作業が困難を極めていること、などです。原子力安全委員会は、3月30日、「1〜3号機の原子炉圧力容器や格納容器が損傷を受けている」との見方を示しました。
 このような状況での最悪の事態とは、いずれかの原子炉の圧力容器、格納容器が大きく破損し、圧力容器内の水位が低下し、燃料棒が空気中に露出し、過熱する結果、さらなる燃料棒破壊が進行し、水素爆発または水蒸気爆発が起きることです。その場合、放射性物質空中放出の最悪の規模はどのようなものでありましょう。首都圏が汚染される危険性はどの程度でしょう。
 このような危惧が客観的に存在する以上、政府は、正確に、詳細に、その危険性を国民に告知するべきです。ハザードマップの概念とは、危険の程度を事前に住民に知らせることによって、災害が起きても、被害を最小限に抑える思想です。政府は、その立場を放棄しています。
 格納容器爆発の危険が皆無なら、その根拠を正確に、詳細に説明し、それを政府が保証するべきであります。そうすれば、たとえ放射能環境汚染が継続しても、国民は最悪事態の懸念からは解放され、「収束への最善の努力」の成功を期待することになるでしょう。
 それが不可能なら、政府は、予測される最悪の事態を早急に国民に告知し、事前の心構え、対策の基本を指示すべきであります。その際、絶対に必要なことがあります。
 それは、最悪の事態に際し、妊産婦、幼児と児童およびその母親、男女青少年の避難を最優先にする原則を、あらかじめ社会的に確立しておくことです。これは、危機的状況での社会的混乱を防止し、次世代の安全を守るのに決定的に重要です。仮に人類が経験する最悪の事故災害に直面することがあっても、次世代日本人の核分裂物質被曝だけは、何としても回避すべきです。全国民は、その心構えだけは確立しておくべきです。
 政府はもとより、各自治体、警察、自衛隊、メディア、そしてすべての市民が、われわれの願いに共鳴し、ただちに対策を立ててくださることを要請します。
2011年4月5日
核兵器廃絶・核戦争阻止 東京医師・歯科医師・医学者の会 
(東京反核医師の会)
代表委員  向山  新
渡辺 吉明
片倉 和彦
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2011年03月16日

3/16発表 緊急声明「福島第一原発の放射性物質放出についてマスコミの正確な危険性報道を求め、政府の迅速な情報収集・発表を要求する緊急声明」

 東京反核医師の会では、東北地方太平洋沖地震による福島第一原発の放射性物質放出にあたり、以下のとおり緊急声明を出しましたので報告いたします。
 この声明は、内閣総理大臣、マスコミ関係者ほかの皆様にお送りさせていただきました。今回の災害および原発事故においては、関係者の皆様には連日不休でご尽力いただいていることに心から敬意を表します。ぜひ、声明の内容をお汲み取りいただき、原発関連情報と放射線による人体影響について、正しく知識を広めていただきますように、心からお願い申し上げます。
【 東京反核医師の会 緊急声明 】
福島第一原発の放射性物質放出について
マスコミの正確な危険性報道を求め、
政府の迅速な情報収集・発表を要求する緊急声明

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、今も逼迫した避難生活を送られている被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。

 福島第一原発においては、2011年3月16日午前10時現在、当該4号炉の使用済み核燃料の過熱事故により、空気中への放射性物質の拡散は不可避となりました。
 放射性物質の漏洩の規模は予測できませんが、人体に危険なことは言うまでもありません。
 ところが、これまで、NHKをはじめすべての民放テレビによる放射能汚染の報道では、原電敷地外の汚染放射能レベルが、数十マイクロシーベルト以下であり、人体への危険性の低さを説明するために、その放射線量が「通常の胸部X線撮影による被曝量より低い」とたびたび解説しています。この説明は、一般市民に放射線量を理解させるのには便利ですが、その一方、重大な過誤を含んでいます。
 人体へのX線の影響は照射時に限定されますが、放射性物質が体内に取り込まれると、当該物質の周囲の細胞に長時間影響します。
 例えば、ヨード131は、甲状腺に特異的に取り込まれるので、のちに甲状腺がんなどの疾患を起こすことは確認されています。一方、通常のX線検査で、そのような結果が生ずることはありません。
 特に危険なのは、プルトニウムです。プルトニウムは、肺や骨に取り込まれ、一度摂取されると排出するのは極めて困難です。また半減期が長いので、摂取量によっては死に至る可能性があります。
 今回、事故原因の核燃料にはプルトニウムが含まれています。2010年9月に運転開始している<3号機>は、毒性の強いプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電です。

 したがって、放射能の影響は被曝線量のみで判断されるべきではなく、被曝の状況、放射線源、放射線の種類などにより、正確に理解されるべきです。このことは、日本人が原爆被爆の実相を解明した経験で確立した原理であります。

 今回の放射性物質漏洩の危険性を、X線検査と比較することによって、その危険性を、テレビ報道視聴者に過小評価させるのは、重大な誤りだと考えます。
 日本の市民は賢明であり、正確な情報には冷静に対応すると、われわれは信じています。反対に、正確な危険性を理解しておれば、万が一重大な事態が発生してもパニックに陥ることなく、事前に賢明な対策を講ずるでありましょう。
 これまでのテレビ報道に深刻な反省を求め、放射性物質による大気汚染について、正確な知識を市民に提供することを求めます。
 また、日本政府にはより正確な原発の危険性を把握し、国民に対して迅速に広報いただくよう強く要望します。

2011年3月16日 
核兵器廃絶・核戦争阻止 東京医師・歯科医師・医学者の会 
(東京反核医師の会)
代表委員  向山  新
渡辺 吉明
片倉 和彦
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2010年10月15日

10/15「米国による未臨界核実験に抗議する」

10月15日、東京反核医師の会は、アメリカがオバマ政権下において発の臨界前核実験に臨んでいたことを受け、以下の声明を発表しましたのでお知らせいたします。
米国による未臨界核実験に抗議する

 
 2010年9月15日、アメリカ政府がネバタ州の地下核実験場で未臨界核実験を実施していたことが明らかになった。2010年5月に開催されたNPT再検討会議等、核兵器廃絶へ向けた国際的な取り組みが進展するなかで、核実験を強行した米政府に強く抗議する。また、今回の実験に続いて予定されている2回の未臨界核実験計画の即刻中止を求める。
 今回の核実験は2006年8月以来4年ぶり、米国にとって24回目の未臨界核実験である。米エネルギー省核安全保障局(NNSA)は「保有核兵器の有効性や保管上の安全性を検証するためのデータを得るのが目的」と説明している。米国政府も、「今回の未臨界実験は核爆発を伴わず、包括的核実験禁止条約(CTBT)に違反しない」と主張している。
 しかし、オバマ大統領自ら「核のない世界」を目指すことを表明し、核兵器廃絶の国際的な機運が高まってきたにもかかわらず、今回の実験を強行したことは、どのような理由があろうと許されるものではない。核不拡散体制が大きく揺らぐ情勢のなか、自国の核戦力のみを維持し続けるという米政府の姿勢はCTBTの体制そのものを空洞化させ、「核のない世界」への努力を続けている世界市民、特に被爆者の心を踏みにじるもので、重大な裏切り行為である。
 米政府は、今回の核実験が核拡散の危険性を助長し、「核のない世界」への流れを深く傷つけたことを猛省しなければならない。そのうえで、改めて核兵器廃絶を積極的に推進していく行動こそが求められている。
 東京反核医師の会は、米政府に対し重ねて強く抗議するとともに、ヒロシマ・ナガサキの悲劇を繰り返さないため、命と平和の尊さを訴えるべく、核兵器廃絶へ向けた取り組みをいっそう強めていく。

2010年10月15日
核兵器廃絶・核戦争阻止 東京医師・歯科医師・医学者の会
(東京反核医師の会)
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【連絡先】 〒160−0023
 新宿区西新宿3−2−7 パシフィックマークス西新宿4F 東京保険医協会内
 TEL 03−5339−3601 / FAX 03−5339−3449
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2009年10月26日

10/26発表声明「オバマ米大統領へのメッセージ」

 東京反核医師の会は、2009年10月26日付で、バラク・オバマ米大統領に向けたノーベル平和賞受賞のお祝いと被爆地訪問を願うメッセージを、在日アメリカ大使館ならびにジョン・ルース駐日大使に宛てて発送いたしました。ここに日本語・英訳両文を掲載し報告します。

≪東京反核医師の会 オバマ米大統領へのメッセージ≫

ノーベル平和賞受賞を祝します
オバマ米大統領、被爆地ヒロシマ、ナガサキへ来てください


親愛なる バラク・オバマ アメリカ合衆国大統領
 さる10月9日、バラク・オバマ米大統領へのノーベル平和賞授与が決定されたことを心から祝します。

 「核兵器を使用したことのある唯一の核保有国として、アメリカは行動する道義的責任がある」

 2009年4月、貴方が行ったプラハ演説は、核兵器廃絶を実現させようと行動してきたわたしたちに、新たな時代の到来を予感させました。それは、「核兵器のない世界」が本当に現実になるのだという確信です。今回のノーベル平和賞受賞は、核兵器のない世界を願う、世界中の人々の期待・希望が成し遂げたことだと思います。
 最大の核保有国であるアメリカが国際社会においてイニシアティブを発揮すれば、世界が核廃絶へ向けて大きく動き出すことは間違いありません。わたしたちは、来年のNPT再検討会議に向け、大統領のリーダーシップに期待しています。

 大統領におかれましては、11月に来日が予定されていると伺いました。
 被爆者は、「自分たちが体験した惨状を、世界中の誰にも経験させたくない」という思いから、つらい被爆体験を語り、命の尊さと核兵器廃絶を世界に向けて訴えてきました。
 ぜひ、広島・長崎を訪れ、彼らの声に耳を傾けてください。被爆の実相、核兵器の恐ろしさ、そして彼らの64年間の苦しみを知ってください。
「核なき世界」は実現できます。核兵器廃絶へ向け、ともに行動しましょう。
2009年10月26日 
核兵器廃絶・核戦争阻止 東京医師・歯科医師・医学者の会 
(東京反核医師の会)
代表委員  向山  新
渡辺 吉明
片倉 和彦
Message to President Barack Obama
TOKYO PHYSICIANS FOR ELIMINATION OF NUCLEAR WEAPONS


Congratulations President Obama on the Nobel Peace Prize.
―President Obama, Please Visit HIROSHIMA and NAGASAKI.


Dear President Obama,

 We are delighted to learn of the decision of the jury in Oslo to award you this year's Nobel Peace Prize, October 9.

 You stated in your April 5 speech in Prague,

 "……as the only nuclear power to have used a nuclear weapon, the United States has a moral responsibility to act."

 As we seek to achieve the elimination of nuclear weapons, your memorable speech in Prague gladly leads us to the new era; we are convinced that "a world without nuclear weapons" really comes true. Your Nobel Peace Prize signifies the hope and expectation of everyone, all over the world for "a world without nuclear weapons"

 When the United States as the most nuclear power takes the initiative in eliminating nuclear weapons in international society, it is sure that other countries also act toward the elimination of nuclear weapons. We expect the president of the United States shows the leadership at NPT Review Conference.

 We have heard you are going to visit Japan November. We would suppose that you know HIBAKUSHA. They are the survivors (or victims) of the Hiroshima and Nagasaki bombing.
They narrate their severe experience and appeal for the dignity of life and the elimination of nuclear weapons because they decide not to make anyone suffer the terrible pain and fear, they have undergone.

 Please visit Hiroshima and Nagasaki and listen to their voices. Please understand the reality of being exposed to radiation, terror of the nuclear weapons and their suffering for 64 years.

 We surely realize "a world without nuclear weapons. We would like to act together toward the elimination of nuclear weapons.

 Sincerely yours.

October 26, 2009
TOKYO PHYSICIANS FOR ELIMINATION OF NUCLEAR WEAPONS
The Representatives Arata Mukouyama
Yoshiaki Watanabe
Kazuhiko Katakura

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2009年06月23日

6/23発表声明「厚生労働省の被爆者医療分科会の決定について」

 東京反核医師の会は、6月22日に「原爆被爆者医療分科会」が「積極認定」の対象疾病として新たに慢性肝炎や肝硬変の〈肝機能障害〉と〈甲状腺機能低下症〉を追加した件につきまして、別紙の通り声明を出しましたので声明を発表しましたのでお知らせいたします。
≪東京反核医師の会 声明≫
厚生労働省の被爆者医療分科会の決定について

 6月22日、厚生労働相の諮問機関「原爆被爆者医療分科会」は一定の条件でほぼ自動的に認められる「積極認定」の対象疾病に、新たに慢性肝炎や肝硬変の肝機能障害と甲状腺機能低下症を追加することを決定した。
 両疾病を積極認定の対象とするのは、これまでの裁判の経過からいっても当然の結論である。
 しかし、今回の決定の最大の問題点は、「放射線起因性が認められる」ことを最終的な条件にしている点にある。これまで医療分科会が認めてきた「放射性起因性」こそが、認定審査の誤りの原因である。これを条件とすることで今まで同様に認定されない被爆者が生まれることが予測され、本当の解決とはならないであろう。
 今求められているのは、原告・被爆者の一括救済であり、小手先の認定基準見直しではない。われわれ東京反核医師の会は国・厚労省に対し、政治決断による原爆症認定集団訴訟の全面解決を求めるものである。
2009年6月23日
核兵器廃絶・核戦争阻止 東京医師・歯科医師・医学者の会
(東京反核医師の会)
代表委員  向山  新
渡辺 吉明
片倉 和彦
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【連絡先】 〒160−0023
 新宿区西新宿3−2−7 パシフィックマークス西新宿4F 東京保険医協会内
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2009年06月10日

6/10発表声明「原爆症認定集団訴訟 東京1次・東京高裁判決 国の上告断念にあたって」

 東京反核医師の会は、6月9日に国が原爆症認定集団訴訟 東京1次訴訟・東京高裁判決の上告を断念した件につきまして、別紙の通り声明を出しましたので声明を発表しましたのでお知らせいたします。
≪東京反核医師の会 声明≫
原爆症認定集団訴訟 東京1次・東京高裁判決
国の上告断念にあたって

 
 6月9日、国は5月28日に出された原爆症認定集団訴訟・東京1次訴訟 東京高裁判決に対し、上告しないことを表明した。これにより、国の敗訴部分が確定することとなる。東京反核医師の会としては、今回の国の判断を歓迎するともに、「基準見直しを含めて検討する」とした舛添厚生労働大臣の発言にも大きな期待を寄せるところである。
 しかし、一方で懸念も残る。
 厚労大臣は上告断念の当日9日昼から、原告団との面会を行ったが、直前まで「上告もありうる」「面会は上告期限の11日以降」などの主張を繰り返し、原告団や支援者に怒りと失望を募らせた。さらに、原告団との面会においても、「努力する」「相談する」程度にとどまり具体的な提案がなされず、麻生総理大臣も「1人1人内容が違うので、一括というのはなかなか法的には難しい」と、早々に政治判断を否定する発言をしている。
 裁判はこれで終わったわけではない。一連の裁判において原爆症認定を受けたにもかかわらず、未だに国から認定されない原告や、主張が認められず敗訴となっている原告、さらには厚労省で申請が止まったままの8,000人ともいわれる認定待ち滞留者の問題もある。
 今回の東京訴訟では、6年の間に原告30人のうち14人が亡くなった。原爆によって人生を狂わされた人々が、高齢となったいま、これほどまでに心身を削って裁判に訴え、18回の勝訴を得てもなお穏やかに過ごせない現状を、国は深刻に受け止めなければならない。
 ゆえに、われわれ東京反核医師の会は国に対し、速やかに原告の声を聞き入れ、政治決断による全面解決を求めるものである。

2009年6月10日
核兵器廃絶・核戦争阻止 東京医師・歯科医師・医学者の会
(東京反核医師の会)
代表委員  向山  新
渡辺 吉明
片倉 和彦
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【連絡先】 〒160−0023
 新宿区西新宿3−2−7 パシフィックマークス西新宿4F 東京保険医協会内
 TEL 03−5339−3601 / FAX 03−5339−3449
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2009年05月29日

5/28発表声明「2009年5月28日原爆症認定集団訴訟 東京1次・東京高裁判決について」

高裁前で判決を待つ

 東京反核医師の会は、5月28日の原爆症認定集団訴訟 東京1次訴訟・東京高裁判決につきまして、以下の通り声明を発表しました。
 一連の訴訟における18回目の判決も、やはり原告勝訴の内容となりました。国には、これまで集団訴訟解決を長引かせてきた責任を痛感し、一刻も早い解決に向けて今度こそ動き出してほしいものです。
 そして、これまで臭いものに蓋をするように、「あの戦争は何だったか」という議論を避けてきた日本全体においても、この裁判を一つの契機として、戦争と平和を真剣に見つめ直そうとする世論が広く共有されることを切に願います。
≪東京反核医師の会 声明≫
2009年5月28日 原爆症認定集団訴訟
東京1次・東京高裁判決について

 
 これまで6年にわたって争われてきた原爆症認定集団訴訟において、5月28日、大きな節目になるとも目されていた東京1次訴訟・控訴審判決が行われた。すでに報道のとおり、東京高裁は原告11人の申請疾病について、1人を除く10人の却下処分を取り消す、すなわち原爆症と認定するという判断をくだし、ほぼ原告勝訴という結果となった。これで国は、一連の原爆症認定集団訴訟において18連敗となる。

 今回は、「新しい審査の方針」で認められていなかった、遠距離被爆者のがんや非がん疾患についても放射性起因性を認めている。
 特に、「積極認定は半径3.5q圏内」という国の基準に対し、半径5q圏内被爆が認められたことは大きい。各地で同じように「距離」という基準により、理不尽な線引きをされてきた被爆者にとっても、朗報であろう。
 また、前立腺がんや下咽頭がんや、甲状腺機能低下症やバセドウ病など、放射性起因性が明らかでなかった疾患、さらに慢性C型肝炎についても、肝炎ウイルスと原爆放射線の共同成因説を採用し、放射線起因性を肯定している。
 残念ながら、敗訴となった1人についても、残留放射線の可能性については認められている。

 さらに注目すべきは、甲状腺疾患や慢性肝疾患を除外している現行審査のあり方の誤りを言及したうえで、基準の見直しを迫る内容となっている点である。
 今回の判決では、「放影研の疫学調査の結果以外の学問的な成果をも考慮に入れて放射線起因性の有無について審査すべきである」として、総合的判断を尊重した。「審査の方針には問題があり、原爆症認定の判断基準として適格性を欠く」と述べるなど、国の姿勢に対する言及がこれほど行われたことは、原告団にとっても予想以上の画期的な判決となった。

 医師団として意見書提出などに協力をしてきた東京反核医師の会としても、今回の判決を高く評価するものである。
 医学は人の命を救う究極的な術ではあるが、いまだ未知の領域が多く、すべての病の起因性を科学的に解明するには不十分なところも多い。しかし、「分からないから認定しない」といって、必死に病とたたかってきた被爆者を見捨てることは、人として許されることだろうか。
 われわれ医師が病に苦しむ被爆者を目の前にして何ができるかと考えるとき、なせることはわずかでも、医療者として最後まで彼らの傍に寄り添い、ともにこれからの被爆者医療向上と、核兵器のない平和な世界を実現するべく努力を続けていくことが第一の指命であると考える。

 原爆によって心身ともに生涯消えない傷を負わされた被爆者が、戦後64年経ってなお、苦しみ続けなければならないのは、戦争と平和の実態を突き詰めることに目をつむり、過去との対話を避けてきた、戦後日本の姿勢の弊害にほかならない。
 2003年に始まった集団提訴開始以来、原告のうち68人が惜しくもこの世を去っている。いずれも、戦争と原爆を恨み、国の姿勢を嘆き、それでも自分たちの主張が認められることを願って、息を引き取られたと聞く。
 もう二度と、被爆者が「悔しい」と泣きながら死んでいくことのないように、国・厚労省には、今度こそ、原爆症認定集団訴訟の一括解決と認定基準の見直し、そしてすべての被爆者の救済を強くここに要望する。

2009年5月29日
核兵器廃絶・核戦争阻止 東京医師・歯科医師・医学者の会
(東京反核医師の会)
代表委員  向山  新
渡辺 吉明
片倉 和彦
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 新宿区西新宿3−2−7 パシフィックマークス西新宿4F 東京保険医協会内
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2009年04月09日

4/9発表声明「国・厚生労働省の高知地裁判決への控訴に抗議する」

 東京反核医師の会は、4月7日に国・厚生労働省が原爆症認定訴訟の高知訴訟・高知地裁判決に対して控訴した件につきまして、以下のとおり抗議声明を発表しましたのでお知らせいたします。
≪東京反核医師の会 声明≫
国・厚生労働省の高知地裁判決への控訴に抗議する

 
 4月7日、国・厚生労働省は、原爆症認定集団訴訟・高知地裁判決に対して控訴を行った。
 虚血性心疾患について、「他の原因を軽視している」「最新の科学的知見に反する」などの問題があるとの判断を示したものであるが、一方で、「5月末までに予定されている大阪高裁、東京高裁判決などの司法判断をふまえて必要な対応を検討する」とも述べている。
 すでに一連の訴訟において16連敗していながら、今さら司法判断を仰ぐという判断にはあきれるほかない。国自ら、「行政としての独自の判断ができない」と宣言しているようなものである。
 先の千葉訴訟・東京高裁判決への上告、広島二次訴訟・広島地裁判決への控訴に対する当会抗議声明(2009年3月26日付)でも述べたように、国民の健康と生活を守ることを第一の責務とするはずの国や厚生労働省が、早期解決の道を模索せず、被爆者救済のための姿勢をみせようとしない現状は、被爆者一人一人の命を軽んじることと同義である。
 施策を打たないことはすなわち、「何もしない」ことではなく、「被爆者の命をさらに追い詰める」ものであることを、国・厚労省ははっきりと認識するべきだ。
 ゆえに、私たち東京反核医師の会は、国・厚生労働省に対し、今回の高知地裁判決への控訴に強く抗議するとともに、原爆症認定集団訴訟の一日も早い一括解決を今一度嘆願する次第である。

2009年4月9日
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2009年03月26日

3/26発表声明「国・厚生労働省の上告・控訴に対する抗議声明」

 3月26日、東京反核医師の会は、3月25日に国・厚生労働省が原爆症認定訴訟の千葉訴訟・東京高裁判決と広島訴訟・広島地裁判決に対してそれぞれ上告・控訴した件につきまして、以下のとおり抗議声明を発表しましたのでお知らせいたします。
≪東京反核医師の会 声明≫
国・厚生労働省の上告・控訴に対する抗議声明

 
 東京高等裁判所ならびに広島地方裁判所で言い渡された原告勝訴の判決に対し、3月25日、国・厚生労働省は上告・控訴を行った。
 国・厚生労働省はすでにこの間の裁判で連続15回の敗訴を数え、原告・弁護団をはじめ各界から上告・控訴断念、原爆症認定集団訴訟の早期全面解決を求める声が挙がっている現状において、広島地裁判決からわずか6日後に上告・控訴したことは極めて遺憾である。
 3月12日の千葉訴訟・東京高裁判決では、原爆放射線被曝が、わずかな被曝線量であっても被爆者の身体に深刻な影響を長期間にわたって及ぼし続けることや、原爆放射線が原因となる疾病としてがん等「新しい審査の方針」の積極認定対象疾病に限られないことを明らかにした。これは、被爆の実相を直視し、被爆者援護法の精神を実現しようとしたものである。
 また、同18日の広島地裁判決では、厚生労働大臣に対して分科会に再検討を促したほか、「自ら資料を収集して適正な認定判断する等の措置をとらずに却下処分をしたのは、職務上尽くすべき注意義務に違反している」として国家賠償責任をも認めた。
 すでに全国原告団306人のうち63人が亡くなっている。上告・控訴は確かに司法の場における権利ではあるけれども、この裁判で争われているのは被爆者1人1人の健康であり、命そのものである。国民の健康と生活を守ることを第一の責務とするはずの国や厚生労働省がいたずらに審理を長引かせることは、被爆者の命をないがしろにするものにほかならず、医療者の立場としてもこれを見過ごすことはできない。
 国・厚生労働省は直ちに上告・控訴を取り下げ、原爆症認定集団訴訟の早期全面解決へ向けて政策の舵を切るべきである。
 私たち東京反核医師の会は、国・厚生労働省の不当な上告・控訴に断固として抗議し、原爆症認定集団訴訟の早期全面解決へむけて被爆者ともにたたかう決意を表明する。

2009年3月26日
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2009年03月24日

3/24発表声明「原爆症認定集団訴訟・広島地裁第二次訴訟判決に対して」

 3月24日、東京反核医師の会は、3月18日の原爆症認定訴訟・広島地裁第二次訴訟判決において原告勝訴の結果を受け、以下の声明を発表しましたのでお知らせいたします。
≪東京反核医師の会 声明≫
原爆症認定集団訴訟・広島地裁第二次訴訟判決に対して

 
  3月18日、広島地方裁判所)は、原爆症認定集団訴訟・広島第2陣訴訟に関し、「新しい審査の方針」では認められていない慢性C型肝炎などの肝疾患・熱傷後瘢痕拘縮のおよび白内障の原告5名についてについて、放射線起因性を認め、国に申請却下の取り消しを命ずる原告勝訴の判決を言い渡した。残念ながら、肺癌・白内障の原告については放射性起因性が否定される結果となった。
  しかし、一部の原告についてではあるが、初めて国家賠償責任を認めた。
  この判決で「新しい審査の方針」以降も、3高裁、7地裁が積極認定の範囲外の疾病について放射線起因性を認めたことになる。

 今回、国家賠償責任について、いわゆる松谷訴訟の最高裁判決から7年近くの期間が経過したにもかかわらず、認定審査をする分科会が、放射線起因性を否定する意見を取りまとめたことに対し、厚生労働大臣が分科会に再検討を促したり、自ら資料を収集して適正な認定判断する等の措置をとらずに却下する処分をしたのは、職務上尽くすべき注意義務に違反しているとした。
  これは、原爆症認定集団訴訟において15連敗しているにもかかわらず、根本的な解決の道筋を示せない厚生労働大臣への警告ともいえるべき判決であると考える。
 東京反核医師の会は、国が今回の判決の内容を真摯に受け止めて控訴を断念し、「新しい審査の方針」を抜本的に見直すとともに、すべての原告を認定し、集団訴訟の早期一括解決をはかることをもとめるものである。


2009年3月24日
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2009年03月14日

3/14発表声明「原爆症認定千葉訴訟2審判決を受け 改めて原爆症認定集団訴訟の一括解決を求める」

 3月14日、東京反核医師の会は、3月12日の原爆症認定訴訟・千葉訴訟2審高裁判決において原告勝訴の結果を受け、国に対する上告断念と原爆症訴訟の一括解決を求め、以下の声明を発表しましたのでお知らせいたします。
≪東京反核医師の会 声明≫
原爆症認定千葉訴訟2審判決を受け
改めて原爆症認定集団訴訟の一括解決を求める

 
 3月12日、東京高裁は、原爆症認定申請却下取消を求めた千葉訴訟の2審判決として、2008年4月の新基準でも認定外とされていた原告2人を原爆症と認め、地裁判決を支持して国・厚労省側の控訴を棄却した。
 裁判長は「がん以外でも低量の被爆で障害が起こる可能性がある」とし、新基準対象外の疾患でも、「国が被爆以外の原因を立証できないのであれば、病気の原因は放射線とするのが相当」と指摘した。これにより、肝機能障害や心筋梗塞など厚労省の認定基準外の疾患を持つ原告も原爆症と認定された。高裁レベルで肝機能障害が認定されたのは初めてで、今後の原爆症認定に対する国の方針に何らかの影響を与えることは間違いない。
 今後、3月18日広島地裁(2次)、3月27日高知地裁、5月15日大阪高裁(2次)、
5月28日東京訴訟2審の東京高裁と、立て続けに判決が出る。すでに国は同訴訟において14連敗を喫しており、昨年08年11月には河村健夫内閣官房長官が「5月の東京高裁判決がタイムリミット」と述べたように、集団訴訟を一括解決しようとする流れがわずかながら動きつつある。
 しかし、集団訴訟が始まって6年。被爆者の高齢化が進み、これらの方々にはもう時間がない。1日も早い全面救済を図っていただきたい。
 東京反核医師の会は、千葉訴訟2審判決に対して国が上告しないことを求めるとともに、改めて認定制度の速やかな変更と、認定訴訟の一刻も早い一括解決を訴える。そして、人の命を預かる医師の立場として、われわれは最後まで被爆者とともに奮闘する決意である。

2009年3月14日
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2008年07月01日

7/1「原爆症認定訴訟長崎判決 国の控訴に抗議する」

 7月1日、東京反核医師の会は、原爆症訴訟長崎裁判において国が高裁への控訴に踏み切ったことに抗議して、以下の声明を発表しましたのでお知らせいたします。

内閣総理大臣 福田 康夫  殿
厚生労働大臣 舛添 要一  殿

原爆症認定訴訟長崎判決 国の控訴に抗議する


 6月23日、長崎地裁は、原爆症認定申請却下取消を求めた27名の原告に対して判決を言い渡した。27名のうち、20名は却下取消、残念ながら7名は訴えを棄却するという結果になった。7名が棄却されたものの、全体として「勝訴」と言うべき判決である。
 4月からの新認定基準が積極的認定から外した慢性C型肝炎などの肝疾患の起因性をすべて認め、外傷が影響した変形性関節症も認めたこと、入市・遠距離被爆者への残量放射線の影響を原則的に認めたことは、これまでの判決同様、国の認定基準の誤りを示すものである。
 さらには、原因確率による審査を批判し、「疾病の発症等が放射線以外の原因に基づくことが明らかな場合でも、その発症や促進に影響を与えていることが合理的に確認できる場合には放射線起因性を肯定すべき」としていることも評価できる。
 しかし、一部の原告の起因性について、こうした判断と明らかに矛盾する内容であることは残念である。例えば、胎児被爆を含む遠距離・入市被爆をなぜ急性症状の有無のみ問題として認めなかったのか、急性症状が認められる遠距離・入市被爆のがんについて、被爆線量の多寡を問題にして認めなかったのか、などの点である。
 そして、国は仙台・大阪では上告を断念したが、今回の長崎判決に対しては一転して、地裁が認定した20名中10名について高裁へ控訴した。認定基準の再改定に応じないうえ、各地で係争中の他の訴訟を取り下げてほしいという原告の要望にも応じない国の姿勢は、本当の意味で被爆者救済を考えているとは到底言いがたい。
 東京反核医師の会は、国による今回の長崎訴訟控訴に強く抗議するとともに、改めて原告全員の早期認定を求めるものである。

2008年7月1日
核兵器廃絶・核戦争阻止 東京医師・歯科医師・医学者の会
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2008年06月06日

6/6「原爆症認定集団訴訟仙台および大阪高裁判決の受け入れと原告全員の救済を強く求める」

6月6日、東京反核医師の会は、原爆症訴訟裁判において、仙台・大阪各高裁で相次いで原告全員勝訴の判決が出たことを受け、国へ上告断念と原告全員の救済を求め、以下の声明を発表しましたのでお知らせいたします。
内閣総理大臣 福田 康夫  殿
厚生労働大臣 舛添 要一  殿

原爆症認定集団訴訟仙台および大阪高裁判決の受け入れと
原告全員の救済を強く求める

 
2008年5月28日、仙台高等裁判所において、「新しい審査の基準」が出された後の初めての原爆症認定集団訴訟判決が出され、原告2名の認定を認める勝訴判決を言い渡した。
 さらに、5月30日には大阪高等裁判所でも、非がん疾患の原告を含む9名全員の認定を認める勝訴判決を言い渡した。
 仙台高裁では、新しい審査の方針では従来通りとされた要医療性について、「法の趣旨からすれば、原子爆弾の傷害作用により直接罹った疾病と相当因果関係が認められる第二次障害についても認定対象となるものと解するのが相当」として、胃がん切除後の後障害についても放射線起因性を認めた。
 また、膀胱がん術後の半年に1回程度の定期的検査でも、再発、転移の可能性が高いなどの事情から要医療性を認めた。
 これは、がんの後遺障害に苛まれ、あるいは再発を恐れながら暮らす被爆者の実態に沿った判決である。
 大阪高裁では、新しい審査の方針では積極的認定の範囲外の広範な疾病の原告に対しても認定を認めた。
 放射線起因性の判断について、「原爆放射線被曝の事実が疾病等の発生又は進行に影響を与えた場合には放射線起因性があると判断し、また、申請疾病のみを切り離して判断するのではなく、被爆状況や急性症状、その後の健康状態や疾病などの経過や治療状況などを総合的に判断することが必要である」と地裁レベルでの判決の総括的な内容となっている。
 また、いずれの判決でもDS86による被爆線量や原因確率について痛烈に批判し、機械的な適用による形式的審査を否定している。
 これらの判決は、これまでの原告・被爆者の主張に沿うものであり、もはや国・厚労省の方針は完全に否定されたとも言うべきである。

 東京反核医師の会は、国、厚労省が判決を受け入れ、各地の高裁への控訴を取り下げ、原告全員の救済を行うことを強く要求する。

2008年6月6日
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